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平成の大合併「千曲市誕生」

掲載日:2004年8月2日

千曲市プロフィール

千曲市は、更埴市、更級郡上山田町、埴科郡戸倉町の1市2町が合併し、平成15年9月1日に誕生しました。中央部をゆったりと千曲川が流れ、森将軍塚古墳・戸倉上山田温泉・名月の里・あんずの里等の豊かな自然と歴史を生かした観光振興が図られています。また、近年は高速交通網の要塞として注目され、工業・商業活動も活発化しています。

長野県における平成の合併第1号の(電算にとっても第1号であります)千曲市誕生までの苦労話などを、キーマンにインタビューしました。インタビュアは、常駐SEとして1年半合併協議会へ出向していた弊社e-自治体推進部轟保です。

合併協議会 〜客観的な立場に立てるか〜

−初めに、任意合併協議会設置当初、電算処理一元化をどのように進めようとしていましたか?

西澤氏:新市将来構想を外部へ委託した経緯もあり、コンサル業者への委託の案もありました。結果的には、任意合併協議会・各専門部会に電算処理一元化チーム設け、行財政部会の企画分科会に置き、H13年8月より各班で業務の電算システムの統一を図ってきました。職員だけでは、日常業務にプラスアルファの仕事は難しいと考え、基幹系のシステムが1市2町とも(株)電算1社だったので、SE常駐を委託しました。

−合併協議会として、調整事項で苦労したことは何ですか?

西澤氏:今までのそれぞれ違ったまちづくり、違った制度・例規を一元化することにより、サービスが低下したり、負担が増えたりしないよう気を使いました。すり合わせ項目は500ぐらいでしたが、職員の細かい事務作業を含めると1500〜2000項目に及びました。予算がある事ですし、住民生活優先で、健全財政維持に影響しないという視点で考えると、すり合わせは難しかった。合併は難しいですね。

−今後、合併をしようとしている地域へアドバイスをお願いします。

西澤氏:合併協議の中で大切なのは、住民サイドに情報提供をし、まちづくりに参画するという意識をもってもらうことです。合併賛否・新市の名前・新しいまちづくりに意見を出しやすくすると良いと思います。それには、十分な時間が必要です。
事務的な事では、電算処理・例規の一元化は時間がかかります。千曲市は専門チームをつくって2年と十分時間がとれましたが、これから合併するところは、そんなには時間がとれないので、いかにスピーディに行うかが重要なポイントですね。それと、言いたい部分を強調するだけではなく、妥協も必要です。千曲市は合併協議会の事務局も良くまとまっていましたし、職員一人一人が自分の出身の市・町の事だけでなく、客観的な立場で動いてくれました。

−協議会として、どのような新市を目指しましたか?

西澤氏:長野市と上田市にはさまれた地域ですし、1市2町が一緒に活力あるまちづくりをしたいと考えました。市町村合併はゴールではなく、スタートですので、新市長を先頭に市民と一体となって、まちづくりを進めたいです。

−最後に思い入れなどをお話ください。

西澤氏:長い道のりでしたが、歴史に残る行事に、事務方の一員として、関われて良かったです。合併して良かったと早く市民の皆さまに感じてもらえる市にしたいと思っています。

企画・情報部門 〜合併前か後かのジレンマ〜

−初めに、企画・情報部門として電算処理一元化をどのように進めようとしていましたか?

島田氏:日常業務の他に合併作業をしなければならない職員の負担を減らすため、必要最小限で乗り切りたい、スムーズにうまく稼働する事、コストを押えたいと考えて進めてきました。

−インフラ関連整備にあたり、苦労したことは何ですか?

島田氏:長い先の将来まで予想できないし、財源的にも厳しい中、既存のものをうまく使うよう考えました。IP設定など細かい作業は出来ましたが、大変だったのは、電算室の中の引越しでした。様々なシステムのサーバーは、業務中に止められないので、夜間や土日にラックへ移動する作業をしました。
情報系は物もどんどん変わるし、難しいです。
新市の将来が明確にならない合併前にやるか、合併後にやるかという問題がたくさん出てきました。

−今後、合併をしようとしている地域へアドバイスをお願いします。

島田氏:無駄な投資は圧縮して、本当に必要かどうかをよく見極める必要があります。過渡的なところにパワーを割かないことも大切です。

−合併後数ヶ月経過しましたが、ネットワークやシステムの使い勝手など、職員からの反応はどうですか?

島田氏:現場からの苦情は特にないので、支障ないと思います。システム管理者としては、サーバーが更埴庁舎に集中しているので、管理業務が負担になってきている事が課題ですね。4月の異動時など大変だと思います。

−その他全体的に何か問題などありますか?

島田氏:財務会計システムなどの作業(他社)もうまくいきました。パソコンが足りないなど問題はありますが、合併日から100%満たすのは難しいです。合併日にやらなくて良いものは分散しながら、100%を目指せば良いと考えていましたが、各課は合併日に100%の状態でスタートしたいと思っていましたね。


−最後は今回のインタビュアでもあり、常駐SEとして合併協議会へ出向していた弊社社員の想いです。

■千曲市合併に携わって e-自治体推進部 轟 保

今回の千曲市合併に際して、私は平成14年4月1日より「更埴市・戸倉町・上山田町任意合併協議会事務局」へ社から席を移し、電算システム基幹系業務の統合作業(一元化)のまとめ役として、約1年半に渡り携わってきました。
千曲市合併システム対応での基本的な考え方は「合併時にスムーズに無理なく稼働できる事」を前提とし、特に以下に留意して打ち合わせや作業を進めました。

  • 住民サービスの低下をまねかない
  • 目新しい事はしない
  • 出来る限りリスクの少ない方法をとる

ちょうど、この年の4月にみずほ銀行合併に伴うシステム障害が発生し全国の窓口やATMで大混乱が起きました。事務局や各課からは「新市発足時には絶対このような事の無いように」と強く申し入れがあり、ある意味では、お客さま自身や弊社における危機感や意識改革につながったのではないかと思っています。
また、各業務のシステム統合に向けた打ち合わせでは、お客さま自身が合併は初めての事であり、出来る限り弊社からの提案型で実施するように心掛けました。
その結果、ほとんどの業務について大きな問題も無く、スムーズに進んだものと思っています。
ただ今回反省すべき点を上げるとすれば、インフラ整備・庁舎内外の引越作業についても、事務局と弊社でもう少し連携を持つべきであったと感じています。
最後に、事務局や千曲市の職員の方には公私ともにお世話になり、ありがとうございました。机を並べながら職員の方と一緒に新市建設に向けた仕事が出来た事は、非常に貴重な体験でした。今後も千曲市発展のために強力に支援してまいりたいと考えていますので、よろしくお願いいたします。