明けましておめでとうございます。
1月6日から、標準仕様に準拠したReamsのセカンドユーザーが本番稼働を開始しました。また、1月14日には別のユーザーで本番稼働が予定されています。
昨年11月のファーストユーザーの本番稼働もそうでしたが、計画に沿ったシステム提供を行い、順調な滑り出しを実現する社員の皆さんの力に敬服しております。当社は標準準拠システムへの移行を計画的に進め、期限とされている2026年3月までに、全国で150を超える地方公共団体のお客様で移行が完了する予定です。皆さんの一層の尽力に期待しております。
昨年の年頭あいさつでは、「モラトリアム」について、つまり「2024年は様々な事情により競争が一時的に猶予された状態にあり、この期間に何を準備するかが大事である。」という話をしました。
この1年間の準備状況はどうだったでしょうか。皆さん、各自振り返ってみてください。
2025年は、「モラトリアム」から「モメンタム」へと切り替えていく年になります。「モメンタム」は、ビジネスにおける成長や成功に向けた勢いや推進力、あるいは熱量といったものです。その大小は、「モラトリアム」の間の準備状況によって決まってきます。
「モメンタム」という言葉は、最近ビジネスの分野でも使われるようになりましたが、これまでは金融・証券の分野で相場の勢いを判断する指標として使われてきました。元々は、物理学の「運動量」が語源になっており、この運動量は、質量と速度の掛け算で求めることができるとのことです。静止状態にある物体に外力が加えられると、物体はその外力の作用中に、自身の運動量を変化させます。そして、当の外力が取り除かれると、物体は、ニュートンの第一法則(慣性の法則)により、その直前にもっていた速度を保ちながら運動を続けます。この物理的概念を企業活動に当てはめると『一度外部からの大きな刺激(外力)を受けて加速した企業活動は、その刺激が取り除かれた後も一定の勢い(速度)を維持し続ける』と言い換えることができます。ただし、摩擦によって物体の運動量が失われるように、せっかく加速した企業活動も私たちが怠けていると失われます。勢いを維持できるように私たち全員が努力をし続けることを忘れてはなりません。
話は変わりますが、公共分野においては、一部のベンダーで自治体システム標準化からの撤退や提供時期の延期といった報道もされています。しかし、当社は計画どおり標準仕様に対応したReamsの提供を着実に進めています。
一方、産業分野においては、リース業務パッケージがカーリースの機能も加え、日々成長しながら着実にユーザー数を増やしてまいりました。
これらを実現できた力の源泉は、苦しい中にあっても、それを乗り越えようとする皆さんの「モメンタム」、すなわち「達成できる」「達成させる」という熱意だったのだろうと思っています。
幸い、我々には諸先輩方が築いてくれた強い基盤があります。当社はこれまで、この基盤を梃子(てこ)にビジネスを発展させてまいりました。
基盤の1つ目は、株式の上場です。これにより、独立性の確保と顧客からの信用を獲得できました。
2つ目は、データセンターです。2003年の竣工以来、安心安全なサービスを提供し続けてまいりました。
3つ目は、これが最も重要ですが、パートナー制度です。Reamsに関する深い知識を有したパートナーを通し、当社とパートナー、パートナーとその顧客が強い絆(きずな)で結ばれています。一般的な販売代理店制度とは違って、パートナーのユーザーはパートナーが責任をもってサポートすることを念頭に、当社が主体となり共存共栄の関係を構築してまいりました。標準仕様に対応したReamsが計画どおり提供できているのも、このパートナーの存在があったからです。
我々は、これら3つの強みを再確認し、時代や要求に合わせ見直しながら、この強い基盤をより高いところへと導いていく必要があります。
昨年は、モラトリアムが終わると、強い向かい風が吹いているかもしれない、といった話をしました。今年はそこに、「皆さんの『モメンタム』があれば、強い向かい風にも負けず、逆に、向かい風を追い風に変えることができる」と付け加えます。そして、その実現を信じています。
以上
株式会社電算
代表取締役社長 轟一太