【導入事例】富士フイルム株式会社様
富士フイルム株式会社
富士フイルム株式会社 企業情報
本社所在地 | : | 東京都港区赤坂9-7-3 |
---|---|---|
設立年月日 | : | 2006年 10月 2日 |
従業員数 | : | 5,006名(2016年 3月末現在) |
資本金 | : | 40,000百万円 |

世界各国に向け多国言語で電子マニュアル・電子カタログの運用を開始
現場業務の効率性向上・サービスレベル向上を実現
富士フイルム株式会社は、コア事業であった写真フィルムの需要が激減した2000年以降、事業構造の転換を進め、現在では複数の成長事業分野を持つ企業に生まれ変わった。現在、医療機器や機能性化粧品、サプリメント、医薬品、そして再生医療などからなる「ヘルスケア」、フラットパネルディスプレイ用フィルムなどの「高機能材料」、印刷版材料や機器の「グラフィックシステム」、放送用レンズやセキュリティ用レンズなどの「光学デバイス」、デジタルカメラやインスタントカメラ「チェキ」、フォトブックなどの「デジタルイメージング」を重点事業分野と定め、コーポレートスローガン「Value from Innovation」の下、社会課題の解決を事業成長の機会と捉え、常にそのための新しい価値創出に取り組んでいる。
メディカルシステム事業部では、世界各国へ事業展開している内視鏡システムにおけるマニュアルやカタログの検索性、閲覧性、権限管理に課題があった。そこで、旧来のPDFファイルでの管理から電子ブック化への刷新を行い、現場業務の効率化を実現した。

今回の導入について、富士フイルム株式会社メディカルシステム事業部サービスソリューション部の宮内明氏、川島行順氏にお話を伺った。
課題
マニュアルの「検索性、閲覧性」に課題を感じていた
富士フイルムの内視鏡システムは世界各国にユーザーが存在し、ワールドワイドに事業展開を行っている。各国の営業・サービス等の業務を行う現地法人や特約店に対し、マニュアルなどの情報を配信しているが、PDFファイルでの管理に課題を感じていた。
「当社のマニュアルなどのドキュメントには多国言語化が必須です。しかし、現地から探しづらいという声を多く聞いていました。一つのドキュメントに対し、言語別に階層化し管理を行いましたが、階層が深くなり該当のドキュメントが見つけられない、違う言語のファイルをダウンロードしてしまうなどの間違いが発生していました。 」(宮内氏)
また、PDFファイルの「閲覧性」にも課題を感じていた。

「 PDFファイルの縦スクロールより紙で慣れ親しんだブック形式で見られるようにしたいと考えていました。また、動画や付箋、音などを入れ、今までより多くの情報を見やすく、かつ使いやすく提供することは出来ないかと思っていました。 」(川島氏)
これらの課題に加え、ドキュメント毎に「権限設定」を行う部分での課題もあったという。
「それぞれの国の現地法人や特約店毎に、閲覧権限を設けていましたが、管理が煩雑になり、運用が困難な状況になっていました。」(宮内氏)
選定理由
豊富な機能と柔軟な姿勢に魅力を感じた
これらの課題を解決するため、ドキュメントの電子ブック化をテーマに幅広くソリューションを探していた。そのような中、豊富な機能を有する電子ブック作成・公開システム「AirLibro」に目が留まった。
「電子ブック化を検討する中で、先ず重視した点は現地での使い勝手です。言語別に体系立てて管理することができ、サムネイル表示でブックの表紙が見られる為、見つけ易さは格段に向上すると考えました。動画が組み込める点も画期的でした。動画以外にもURLリンクや付箋、目次や音声などの様々なコンテンツを編集出来る点も魅力的でした。また、商談を重ねる度、前向きに一緒にやっていこうという会社の姿勢を示してもらった点も大きかったです。業務システムと電子ブックとの連携や、当社の特殊な要望に対しても応えてくれました。このような機能提供や開発を短納期で行いながらも、コストメリットが高かったのも選定の大きな理由の一つです。 」(宮内氏)
導入効果
業務効率化の向上とサービスレベルの更なる発展
こうしてAirLibroを用いた世界各国での電子マニュアルの運用がスタートした。AirLibro導入の効果について宮内氏、川島氏はこう語る。
「先ず、検索性が格段に向上しました。言語別のカテゴリから自国のドキュメントを参照出来るようになり、以前のような間違いはなくなりました。カテゴリがスペイン語やポルトガル語のフォントに対応している点も現地担当者に喜ばれています。以前はドキュメントのタイトルはファイル名だけでしたので、開いてみるまで中身をイメージすることは難しかったですが、サムネイル表示されている為、イメージが持ちやすくなっています。頻度の高いドキュメントはマイコレクションに入れて運用している為、必要な時に即座に開くことが出来るようになりました。 」(宮内氏)
また、動画ファイルの組み込みにより利便性も良くなった。
「電子ブックから直接動画を閲覧出来る点も非常に有効です。今まで、PDFファイルと動画ファイルは別々に保管されていた為、どのドキュメントの動画がどれなのか分かりづらく、結果利用頻度が低く、必要な情報が的確に現地に伝わっていませんでした。現在は、情報も的確に伝わり、現地のサービスレベルの向上につながっていると感じています。 」(川島氏)

更に管理者の側面からもメリットは大きかった。
「管理面でのメリットも非常に大きかったです。閲覧権限を設けるにあたり、利用エリアが広くユーザー数も多い為、管理が煩雑になり、運用が困難な状況になっていました。今回、フィールド管理システムと電子ブックをシングルサインオンで連携し、閲覧権限も踏襲でき、管理面が向上しています。また、ファイルごとに制限を掛けられるようになり、安全面においても強化することができました。 」(宮内氏)
「電子ブックの閲覧者数などのデータを分析できるようになった点も有益です。どういう情報が現場で必要とされているのかデータ分析することで、その必要性を迅速かつ的確に判断することができるようになっています。」(川島氏)
「現地担当者から『見やすくなった』『見つけやすくなった』という声が多く聞かれ、私たちも嬉しく思います。」(宮内氏)
今後の展望
更なる発展に向けた今後の展望
現場の業務改善と更なるサービスレベルの向上に向けスタートを切った同社。今後のさらなる発展に向けた展望を宮内氏、川島氏は語る。
「現在は社内関係者のみで使用しているが、エンドユーザーに向けて内視鏡システムに関わるマニュアル情報をこのように見つけやすく、見やすいかたちで提供していければと考えています。」(宮内氏)
「ビジネス現場のニーズにタイムリーに応えるツールにしていきたいと考えています。カタログについても更に充実させ、多忙な医師の要望に対し、その場でスピーディーにプレゼンをおこない、医師とコミュニケーションを図るツールにしていきたいと考えています。」(川島氏)
世界各国に向け新たな情報展開の取り組みを始めた同社だが、「システムはどれだけの人が使うかで価値は決まってくる。更にドキュメントを拡充し、様々なコンテンツを充実させ、もっと浸透させていきたい。日本国内から情報配信するだけではなく、各国で主体的に登録・運用する環境も用意したい。最終的に達成したい到達点からはまだまだ半分程度です。」と、今後の意気込みを宮内氏、川島氏は語る。今回の電子カタログ・電子マニュアル配信の取り組みが、今後の富士フイルムの更なる発展に繋がっていくことだろう。

※本導入事例の記載内容は2017年3月現在のものです