ワークフローシステムとは
■ ワークフローとは
ワークフローとは「業務の流れ」を意味し、ある業務や活動における「一連の作業や手続き」を指します。
例えば、発生した経費を精算するための「経費精算業務」におけるワークフローの例は以下のとおりです。


予め業務の手続きをワークフローとして定めておくことで、作業の抜け・漏れをなくし、適切な承認のもと業務を進めることができます。
また申請・承認の流れは、内容及び金額等の条件によって変わることもあります。
例えば、経費精算業務では「10万円以上の場合は部署長の承認が必要」、「100万円以上の場合は担当役員の承認が必要」のように金額によって承認者が変わる場合があります。
■ ワークフローを紙の申請書で運用するデメリット
前述の経費精算書のように、決められたワークフローに沿って業務を進めるために利用されているのが「申請書」です。
社内には、稟議書、見積依頼書、出張報告書、旅費精算書、休暇届、設備利用願い等、様々な申請書が使われています。
申請書を紙で運用する場合、様々な「手間」がかかります。
こういった手間の積み重ねが企業全体では大きな時間のロスとなり、間接作業が増えることで、業務効率の低下に繋がります。
また、紙の紛失や記入ミス・承認漏れによる内部統制上のリスク、承認者の不在や申請書の郵送等による決裁の遅れ、紙の印刷経費や保管スペース確保等のコスト負担も問題になってきます。
■ ワークフローシステムとは
このような課題を解決するための仕組みがワークフローシステムです。
ワークフローシステムでは、紙の申請書や伝票を「申請フォーム」として電子化し、承認・回覧することができます。
PCやモバイル端末に表示された「申請フォーム」に必要項目を入力し、申請・承認・却下をシステム上で実現します。


電子化により入力内容の自動チェック、金額の自動計算等が可能となり、記入・チェックにかかる時間を削減できます。
また、申請フォーム毎に誰が承認するか(承認経路)を柔軟に設定可能であり、金額内容等により自動的に承認者を変更することもできます。さらに承認状況はシステム上でいつでも確認が可能です。
■ ワークフローシステムが適用できる業務
ワークフローシステムは、現在申請書を利用している業務はもちろん、今は申請書を利用していない業務にも適用可能です。
オフィスワークの多くは、「作業の依頼」、「作業の実施」、「結果のチェック」、「報告」、「承認」等、作業のフェーズ毎に様々な部署・役割の方が連携し実施されています。
このようなオフィスワークを整理し、ワークフローシステム上で電子化・定型化することにより、作業を標準化し、業務を効率化することができます。
■ ワークフローシステムのメリット
ワークフローシステムの活用により以下のメリットを得ることができます。
業務の効率化

- 申請書の電子化により、紙の申請書に係る手間を大幅に削減
- 記入内容の自動チェック等により記入ミスや手戻りを防止
決裁時間の短縮

- 申請書の手渡し・郵送が不要となる等、決裁時間を大幅に短縮
- 申請・承認状況を簡単に確認でき決裁の滞留を防止
柔軟なワークスタイルの実現

- モバイル活用によりテレワーク(自宅等)や外出先から申請・承認が可能
- 空いた時間を有効活用し柔軟なワークスタイルを実現
内部統制強化

- 申請・承認ルールをシステム化し、業務規則を順守
- 申請書の履歴管理、アクセス管理が可能
ペーパーレス

- 申請書の印刷経費、管理、設置スペースが不要
- 紙がなくなりシステム上に申請内容を一括保管
データの活用

- 申請されたデータを簡単に検索・抽出・集計
- データ活用により業務内容の分析・改善が可能
以上、ワークフローとは何か、ワークフローシステムのメリットとは何かについてご説明しました。