AI-OCR×SmartKMS導入事例

ー 技術関連文書が紙媒体で有効活用できない

今回ご導入いただいたお客様は、生産部門において研究文書、技術関連文書、報告書など、多くのナレッジが紙文書で残されており、数万枚規模の文書が蓄積されているため、情報を見つけ出すのに時間がかかるという課題がありました。また、OCR処理でのデータ化の際に、非定型な手書き文書や、劣化した図面を高い精度で読み取ることは難易度が高く、運用レベルの精度を出すのが難しいといった課題もありました。

ー 高精度AI-OCRでデータ化

OCRでの読み取り精度の課題に対して、技術文書の読み取り実績が豊富なAI-OCR「Flax Scanner」を連携したご提案を行いました。
紙文書から特徴をつかんで判別するための独自のAIチューニングを行うことにより、お客様固有の専門用語や重要語句を確実に読み取ることが可能となりました。
AIチューニング前では、分割されている文字が正しく読み取れない、手書き文字を正しく読み取れない、文字列の一部が認識できないといった課題がありましたが、AIチューニングによりレイアウト認識やOCRモデルの微調整を行い、読み取り語句を正確に認識できるよう対応しました。また読み取り結果の語句を辞書補正機能で補正し、読み取り精度を向上しました。

ー SmartKMSでデータを一元管理、横断検索

AI-OCR「Flax Scanner」でデータ化された技術文書等のナレッジをSmartKMSに連携し、組織の情報資産の一元管理を実現しました。
今まで別々に管理をしていたファイルサーバー、研究月報、技術文書を横断検索できる検索基盤を構築しました。

ー 約28,000ページを90%以上の正確さで読み取り

重要語句の読み取りについて、AIチューニング前と比較して16.28ポイント向上し97.77%の正確さで読み取り、全体の読み取り精度としても、93.45%の正確さで読み取ることができました。読み取りのルール化が難しい非定型かつ手書き文字が多く含まれている紙文書にも関わらず、運用に十分な精度で読み取り、データ化することができました。

ー 求めている資料にたどり着ける仕組みを実現

データ化した技術文書を重要語で検索可能となったことで、資料にアクセスしやすくなり、ナレッジの利活用が推進されました。SmartKMSの高い検索性や、関連ナレッジのレコメンド機能により、検索したいキーワードがそもそもわからない場合や、記憶が曖昧な場合にも、探したいナレッジにたどり着くことができます。

お客様からは、「過去の研究成果などの企業の重要な資産が継承できるようになった」、「紙の保管場所に行かなくても資料を探すことが可能になり、AIを活用して資料検索の最適化が実現できた」といったお声をいただいております。今回は一か所の事業所に絞って導入を行いましたが、段階的にほかの事業所でも環境整備を行い、情報活用に繋げていく計画を進めています。

※「FLAX SCANNER」は株式会社シナモンの登録商標です。
※「SmartKMS」は株式会社電算の商標または登録商標です。
※記載内容は2023年8月現在のものです。この文書に記載している内容、写真、図表等の無断転載を禁じます。