株式会社電算
株式会社アルソア慧央グループ 様 株式会社アルソア慧央グループ 様
検査員の作業負担の低減、検査判定基準の一定化による品質向上を実現 検査員の作業負担の低減、検査判定基準の一定化による品質向上を実現

日穀製粉株式会社様は「夢・努力・そして感謝!」をグループ理念として、そばや小麦を原料とする食品の開発・製造・販売を通じ、長寿県の長野で古くから食されている「粉食文化」を、美味しく、安全、安心に食卓へ届けられています。特に、主力製品のそば粉は、原料の仕入から製造まで一貫して行い、多種多様な製品をお客様のニーズに合わせて商品提案をされています。

松本工場品質管理部では、そば粉の均質化を目的に、そばの実の状態を確認する色調判断検査を日々実施されています。検査は経験を積んだ検査員がそばの実の色調を目視で確認し、段階別に数種類に仕分けます。この検査にAI外観検査システム「Observe AI」をご導入いただきました。

圧着部分の検査にご活用
ご要望
  • 検査員の経験差による目視判断の
    ばらつきをなくしたい
  • 検査員の作業負担の軽減と作業時間を短縮させたい
検査時間20検体で20分
解決策

Observe AI 導入
  • そばの実の色調を段階別に分けた画像をAIが学習
  • 検査対象のそばの実を撮影
  • AIがそばの実の色調を判別、分類
検査の自動化 良品・不良品をAIが判定
効果
  • 検査判断基準の標準化
  • 検査員の作業負担の軽減
  • 作業時間の短縮
  • 品質向上
検査時間20検体で8分に短縮

INTERVIEWインタビュー

AI外観検査システム「Observe AI」の導入について、日穀製粉株式会社松本工場の武田昇様、柴岳郎様にお話を伺いました。

日穀製粉株式会社  松本工場 品質管理部長代理、日穀製粉株式会社  松本工場 品質管理部品質管理課長 日穀製粉株式会社  松本工場 品質管理部長代理、日穀製粉株式会社  松本工場 品質管理部品質管理課長
そばの実の色調を目視で確認、段階別に分類
検査工程ではどのようなことを行っているのでしょうか

そば粉の原料となるそばの実は、収穫から時間の経過とともに色調が変化していきます。当社では、年間を通じて同じ色調、同じ品質の商品を提供できるよう努めています。その準備として原料の玄そばから殻を取り除いたそばの実(丸抜き)の色調を目視で確認し、段階別に分類しています。
丸抜きが入ったフレコンごとにサンプルを採取して皿に並べ、検査員が目視で基準色と見比べ、分類していきます。検査員は基本1名で、検査は毎日実施しています。

検査員ごとに判断にばらつきがあり、時間がかかる
検査工程における課題を教えてください

分類が難しい色調の場合、検査員によって判断にばらつきが出たり、時間がかかったりしていました。検査員は基準色を把握し経験値によって色調を判断する為、誰にでもすぐ担当できるわけではありません。また、検査員によって判断基準がばらつくのを防ぐために複数人での同時検査ができないという点が課題でした。

少ないサンプル画像で高い判定精度
Observe AI導入の理由・きっかけを教えてください

長野県工業技術総合センター環境・情報技術部門IoT利活用共同研究のAI活用分野に応募し、Observe AIを知りました。まず、300枚の画像サンプルでAIモデルを作成しました。目視検査とAI判定の結果の差が少なく、基本的な判定基準を確立できました。
現場での本格活用に向けては、約1年をかけて3,300枚のサンプル画像をAIに学習させ、検査員とAIの判断のずれを細かくすり合わせました。現在は経験を積んだ検査員と同じ色調判断ができるようになっています。

異常判定時の検査画面
会社としての色調判断基準を確立、作業時間の短縮を実現
ご導入後のご感想はいかがでしょうか

検査員から「色調の判断が容易になった」との声がありました。誰が検査をしても同じ基準で判断できるようなり、「Observe AI」を導入したことで、会社としての色調判断基準が確立できたと感じています。
判断に迷ったときに基準色を見返す手間がなくなり、20検体で平均20分を要していた作業時間が、Observe AI導入後は平均8分に短縮されました。これまで検査員が実施していた判定結果の記録や保存作業も、導入後は自動保存されるようになり、検査員の作業時間や負担も軽減されました。

年間通して同じ品質の商品を提供したい
今後の展望を教えてください

Observe AIを継続的に活用し、そばの実の色調をAIに判断させることで、より細やかなそば粉の品質管理ができると考えています。 今後は丸抜き以外の判定にも活用することを視野に入れ、原料を管理し、年間通して同じ品質の商品を提供できるようにしていきたいです。

記載内容は2022年11月現在のものです。本文書の記載内容、写真、図表等の無断転載を禁じます


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